これはブランデンブルグ門のすぐそばにあるユダヤ人犠牲者への追悼モニュメント。
何が綴られているでもなく、ただ無数のコンクリートブロックが並んでいるだけ。
このすぐ近くには連邦議会議事堂や首相府があって、東京で言うなら霞ヶ関みたいな所。
こんな街のど真ん中に追悼施設があるのは驚き。
今回、ベルリン旅行で一番行きたかったところが"ザクセンハウゼン強制収容所"。
ベルリンから電車で北へ40~50分のオラニエンブルク駅から徒歩20分の所にあります。
実は先月、アムステルダムに行く機会があり、『アンネの日記』の著者アンネ・フランクが強制収容所に連行されるまでの2年間を過ごした隠れ家"アンネの家"を見に行ったのです。
今まできちんとアンネの日記を読んだ事がなかった私は、この時初めてアンネ・フランクが、今我々が暮らしているフランクフルト・アム・マイン生まれだと言う事を知り、ユダヤ人迫害や背景にある戦争についてもっときちんと知らなければ、と思いました。
※アンネが連行された強制収容所はザクセンハウゼンではありません。
ザクセンハウゼン強制収容所は現在のドイツ国内では最大の強制収容所跡。ここでは、ナチスの生体実験などが行われ、1945年までに、10万人以上のユダヤ人が犠牲になったそうです。
入り口には"ARBEIT MACHT FREI=働けば自由になる"と書かれた鉄格子の門が。
柵の周りには逃げ出さないように
"Es wird ohne Anruf sofort scharf geschossen=警告無く即刻射殺される"
と書かれた警告が立てられていたそう。(↑は複製したもの)
何棟かの収容棟が残され、資料室にもなっていました。
この部屋には1941~1943年の間に250人が収容されていたとか。
独房が並ぶ棟もあり、そのすぐ外には拷問が行われた棒も。
敷地内のあちこちにあったまるで石棺のようなモニュメント。
この上に置かれた石は、収容者の遺族がここにお墓参りに来て置いていったものなのでしょうか。
他の棟に生体実験室跡などもあったようですが、見るものすべてがあまりにも生々しく強烈で、これ以上は目を向けることができず。
広大な敷地内を歩き回ったあとには、何とも言えない疲労感。
簡単に言葉では言い表せない、やりきれない気持ちになりました。
忘れてはならない歴史。
見に行くことができて良かったと思います。
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ゆっきーがドイツにいるうちに、来独できたら、一人で見に行きたいと思ってます。
夜と霧、とか写実的で(それがまたつらいけど)すごい本だよね…。